メキシコの目の見えない少年ハイメ君の、ある日ひょんなことから起きた冒険を描いた『それからぼくはひとりで歩く』発売開始 出版社が必要な読み手に、テキストデータ提供
アリシア・モリーナ作、犬吠徒歩絵、星野由美訳 ほるぷ出版
11歳のハイメは特別支援学校から地域の小学校に転入したばかりで、クラスに視覚に障害がある子はハイメだけ。不便なこともあるけれど、友だちや先生は、実際の関わりからハイメとの接し方に気づいたり、授業の内容を工夫したり、ハイメを理解していく。
午前6時15分朝の音がきこえ、ハイメの一日が始まる。その日、学校のスケジュールが急に変わり、下校時間も変わってしまう。携帯をその日は兄に貸してしまったハイメは、母にお迎えの時間の変更が伝えられなかった。クラスの女の子、パウリーナを家まで送ることにし、そのあとまた学校に戻って母を待つ予定だったのに、思わぬ流れで、ふだん一人では乗らないバスに乗って帰ることになってしまう。バスでは、一人で乗っていることを同情されたり、慌てておりてリュックをバスに忘れてしまったり、バスを降りた場所が市場で、見えないハイメは商品にぶつかり、自分もケガをしてしまうが、商品を弁償しろと怒鳴られたり・・ハイメはこの大冒険を、夜おじいちゃんに電話で報告する。おじいちゃんは、まえにハイメに普通の自転車をプレゼントし、自転車が走ると音のする砂利道を作って、ハイメが自転車に乗ることを実現してくれたことがあった。そのおじいちゃんが電話のさいごにハイメに言ってくれた言葉を忘れないように、ハイメは寝る前に点字で一字一字書き留めた・・。
どんな言葉だったのか、それはぜひ本を読んでみてください。いつのまにか、この本に入り込んで、まるでハイメになってこの1日を過ごしてしまいます。
この本は、出版社が、活字を読むことが出来ない人に、テキストデータの提供をしています。子どもの本では希少な出版社の姿勢です。
しかしこうした情報はそれを必要とする子どもたちに届きにくいのが現状です。
もしこの記事を読んでくださっている「本と子どもとのつなぎ手」の方がいましたら、ぜひ皆様の役割としてこの情報を届けてください。
紙の書籍自体にもフォントや行間のあけ方、文と絵のレイアウト、紙の色などにユニバーサルデザインが取り入れられています。
出版社の案内より。
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