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野馬追文庫

野馬追文庫
書:乾千恵
デザイン:デザイニング・マーブル
 
   

野馬追文庫は、2011年3月11日東日本大震災の発生後立ち上げた子どもの本での被災地支援活動です。
2011年8月から2016年6月までは子どもの本4団体(日本国際児童図書評議会・。日本ペンクラブ、日本出版クラブ、出版文化産業振興財団)で結成した「子どもたちへ<あしたの本>プロジェクトとの中の一活動として、福島県南相馬市仮設住宅集会所36か所に、震災が起きた日と同じ11日に毎月子どもの本を届けました。
南相馬市という地域は、地震と津波の被害と放射線被害を受けた3重苦の地域でした。当時幼い子どもたちの7割は、ふるさとを離れて生活を送っていましたが、南相馬市で生活している子どもたち、その子どもたちを支えながら、南相馬で頑張っている人たちもおられました。一度にたくさんの本を届けてそれでおしまいにするのではなく、原発事故で一時は国からも見捨てられたように感じていた南相馬の人々に、本を毎月届けながら「忘れない支援」を模索してきました。
野馬追文庫の「野馬追」というのは南相馬地域の祭祀である「相馬野馬追」から名付けました。震災の年にも避難した人々や馬が多かった中で、残った人々や馬で相馬野馬追は実行されたほど、この地域の人々にとって、生きる証、心の拠り所になっているお祭りと言えます。

配本に関しては、仮設住宅が整う前は南相馬市保健センターの保健師さん、やがて仮設住宅の統括を行う南相馬市社会福祉協議会の生活相談員さんたち、選書に関しては福島県内の図書館員・高知こどもの図書館、発送作業に関してはジネット(お茶の水女子大学児童学科・発達心理学講座/発達臨床心理学講座同窓会)のご協力をいただきました。また野馬追文庫の絵本の購入などは、多くの皆さんからのご寄付や募金に支えられました。
子どもたちへ<あしたの本>プロジェクトは2016年3月、5年間でその活動を閉じましたので、野馬追文庫はその後JBBY(日本国際児童図書評議会)の希望プロジェクトの中で活動をしています。
仮設住宅が閉じだしたころからは、子育て支援機関6~7か所に本をお届けしました。

  • 南相馬市原町保健センター(ぽにたん広場)
  • 障害児発達支援・放課後等デイサービス かのん(じゅにあサポートかのん・ちゃいるどサポートかのん・きっずサポートかのん)
  • ちゅうりっぷ文庫
  • 37カフェ
  • 聖愛こども園
  • 認定こども園かわうち保育園
  • おやこ食堂


2019年の8月 9年目に入りました頃、日本各地で大きな災害が続き、「被災地」と呼ばれる場所が多く発生しました。野馬追文庫を受け取られている皆さんからも、ほかの場所への支援に回してほしというような声がきこえ、ずっと被災者として支援される側の心の負担が見えてまいりました。
毎月11日の本のお届けを見直すことにいたしました。
現在は南相馬の方たちのお声を聴きながら、帰宅困難地域等の帰還で新しくできた保育機関や子育て支援機関、地域社会のコミュニティが必要としてできた場所などに本を季節ごと年4回のサイクルで受けとっていただいています。本の送付はジネットの方たちのかかさぬ献身的なご協力を長い間いただいてきましたが、季節ごとになったときに地元の書店「おおうち書店」さんから配達をお願いしています。

  • 小高交流センター
  • おだか認定こども園
  • 聖愛こども園
  • 聖愛ちいろば園
  • マチエール


震災時の子どもたちは高校生・大学生あるいは結婚して家庭を持つような年齢になっていますし、帰還地域などは帰還者以外の移住者などとの新しいコミュニティ作りが進行しています。野馬追文庫の本を受け取っていただきながら、被災地を忘れないでいること、子どもたちの健やかな育ちを見守らせていただきたいと願っています。



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