高知こどもの図書館
仲間たちと共にていねいに選んだ本を次の世代につなぐこと、子どもたちの読書環境を整える一端を担える図書館になることをめざして、NPO法人高知こどもの図書館は1999年12月、日本で初めてのNPOが運営する図書館として開館しました。
利益を生み出さない図書館を民間(NPO)がどのくらい続けられるのか、予想は立ちませんでした。それでも運営の大変さや背負う責任の重さは自覚しつつも、子どもたちが本と出会える場所を自分たちの力で増やせたことは大変うれしいことでした。
この12年間、なんとか図書館を続けてこられたのは大勢の方たちのお力添えや励まし、それにさまざまな出会い~それは人だったり、本だったりいろいろあるのですが~に支えられたからこそ。その出会いの中でも大きかったのは「バリアフリー絵本」でした。
点字や手話で文章が書かれた絵本。描かれた物が匂いでわかるよう工夫された本。簡単な文章と絵文字や写真で読解力に合わせて読める本…。どの絵本も一冊の絵本として素晴らしく、なおかつ、読書に障害を持つ子どもたちへの工夫が凝らされた、たくさんの本、本、本…。
こんな本があったなんて!と驚き、必要としている子どもたちに届ける仲間の一人になりたいと思いました。とはいえ、職員3人の小さな民間の図書館にできることは少なく、せめてもの取り組みとして「世界のバリアフリー絵本展」の開催や読書フェスティバル等で「バリアフリー絵本コーナー」を開設してきました。
2004年、2007年、2011年と3回行った「世界のバリアフリー絵本」ではその度ごとに新しい工夫の数々に目を見張り、たくさんの方にこの絵本の存在を知ってほしいと願いました。
昨年度「赤い羽根共同募金」の助成をいただいて、絵本展の度にお借りしていた布絵本を、何点か購入することができました。また障害のある子どもや乳幼児の親子のみなさんにゆっくり過ごしてもらえるコーナーを(ごく小さなスペースですが)1階に設けることができました。
これからも子どもたちに本を手渡す仲間の一員として、活動していきたいと願います。どうか今後ともよろしくお願いいたします。
(NPO法人 高知こどもの図書館 古川佳代子)
E-mail:kodomo@mg.pikara.ne.jp
HP:http://wwwa.pikara.ne.jp/kodomonotoshokan/
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