『教育と医学 2025年9.10月号』<バリアフリー絵本の世界(38)>は、米国で1955年に刊行された『からすたろう』の邦訳版編集者西野谷敬子さんに、当時のエピソードなどを書いていただきました。
<あらすじ>
舞台は90年ほど前の日本の小学校。みんなが村の学校にあがったはじめての日、ある男の子が教室からいなくなりました。その子は、床下の暗いところに隠れていました。だれもその子のことを知らず、背が小さかったので、ちびと呼ばれるようになりました。
ちびは、クラスの子どもたちともちっとも友だちになれません。いつもひとり、のけものにされていました。みんなはちびのことを「うすのろ」とか「とんま」と呼びました。ちびは来る日も来る日も、欠かさずに学校にやってきて、教室では、天井や、友だちが着ている服のつぎはぎ、窓の外の景色などをながめて過ごしました。校庭では、目を閉じて遠くの音に耳をすませたり、虫をつかまえて観察しました。
そんなちびのよいところをいち早く見つけてくれたのが、6年生の担任になったいそべ先生でした。その年の学芸会で、ちびが舞台に立ったとき、誰もが驚きました。「あのあほうが、あんなところでなにをするのかい?」ちびがそこで披露したのは、「烏のなきごえ」でした。かえったばかりの赤ちゃんカラス、母さんカラス、父さんカラス……おしまいに、1本の古い木にとまっているカラスをまねて、特別の声を出したのです。「カアゥ ワァッ! カワゥ ワァッ!」誰もが、ちびが住んでいる、遠くのさみしい山を思い浮かべました。
<作者八島太郎について>
作者の八島太郎は、戦前、プロレタリア運動に身を投じ、逮捕もされた。1939年日中戦争のただ中、夫人とともに米国へ亡命。日米戦争中は、祖国へ向けて降伏ビラ などを描いていた。戦後は米国にとどまって芸術活動を続け.1955年、彼の代表作といわれる絵本 『Crow Boy』を米国バイキングプレス社より出版、 カルデコット賞次席に輝いた。この絵本は24年後の1979年、『からすたろう』として偕成社より 日本版が出版され、絵本にっぽん賞特別賞を受賞している。
この作品について考察した高橋久子(村中李衣)氏の論文も紹介したい。
(以下から全文が読める)
‘Crow Boy’と『からすたろう』 : 八島太郎の揺れを追って – 山口県大学共同リポジトリ

編集:教育と医学の会 発行:慶應義塾大学出版会
https://www.keio-up.co.jp/kyouikutoigaku/
隔月刊 発売日:[紙版]偶数月27日 [デジタル版]毎奇月1日
価格:[紙版]840円 定期購読:年4,650円(税・送料込)[デジタル版]760円
今号の特集「AI時代の子育て」にあたっての、安元ドクターの巻頭言は、AI時代に育つ子どもたちの環境に対して、今何がどうなっていて、それをどう筋道をつけて考えていったらいいのか、道を見失い混乱しがちな自分にとって、大変示唆に富むものでした。巻頭言は全文立ち読みできます。
<目次>
AI時代の子育てに大切なこと・・・安元佐和
AI時代における子どもの発達の行方 遠藤利彦
AI時代におけるデジタル環境と乳幼児の子育て 神谷哲司
AI環境と乳児の知覚・視覚 山口真美
保育活動へのコミュニケーションロボットの導入 百瀬ユカリ
理科教育へのAI活用 真木大輔
特別支援教育へのAI活用 山﨑智仁





