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ごあいさつ

ようこそ! バリアフリー絵本の世界へ!

バリアフリー絵本とは何ですかとよく問われます。絵本が、すべての子どもたちに まなざしを向けてくれれば、すべての絵本がバリアフリー絵本と言えると思います。まだそうでない段階なので、「障害」のある子どもたちに、まなざしを向けてくれている絵本を「バリアフリー絵本」と考えています。

出版絵本界で、バリアフリー絵本の先駆的編集者であった 故鴻池守さんは 「障害」のある子どもたちを「障害を持たされている子どもたち」と表現していました。まだ、この子たちの多くは今でも絵本にもバリアを持たされています。

2002年に「バリアフリー絵本展」という展示会を 国際子どもの本の日のイベントとして日本国際児童図書評議会(JBBY)主催で開催しました。このHPはバリアフリー絵本の情報発信のためにその時に作りました。2003年からはIBBY障害児図書資料センター Outstanding Booksの国内巡回をJBBYで始めました。日本でのこの展示会のタイトルを「世界のバリアフリー絵本展」 としています。

展示会の実施から バリアフリー絵本を以下のように分類することを学びました。

Forの絵本 「障害」のある子どもたちのために(for)作られている絵本
 点字絵本 さわる絵本 布の絵本 手話や絵文字がついた絵本 やさしくよめる本
 認知特性や見え方の特性に配慮した絵本 音声がついた絵本 におう絵本 
などなど

Aboutの絵本 「障害」について(About)描かれている絵本
絵本に「障害」児者が描かれていたり「障害」のことを学んだりできる絵本 この中には 「障害」のある人たちのよって(By)制作された絵本もあります。

Forの本は対象の子どもの数が少ない割には 作るコストが高く 公的な応援のない日本では 出版されることにも、また流通や販売にもさまざまなバリアがあります。絵本がどんな子でも楽しめるようなユニバーサルデザインになっていけば、特別にコストをかけて作るForの本は必要なくなります。日本のForのバリアフリー絵本は、出版本が少ないため、ボランティアたちの制作による手作り絵本で支えられてきました。それら手作りのさわる絵本 布の絵本も40年の歴史を刻みました。

絵本が描く社会が、共育共生、ノーマライゼーションが実現している社会なら、いろいろな子どもたちが自然に登場するはずです。すべての絵本がAboutになるはずです。日本社会は 「障害」を学ぼうと、そこに焦点をあてて作られるAbout絵本がとても多い社会です。

IBBY障害児図書資料センター設立に尽力した、ノルウェーの共育学者トーディス・ウーリアセーターは、1980年国際障害者年の時に発表したユネスコレポートのまとめの文章でこう記しています。

「障害児の教育にたずさわる先生や施設の職員や親は、子どもの本についてもっと広く知っていなければなりません。図書館の司書の養成課程で、障害児や障害児の読書について学ぶことを義務づける必要があります。
作家、画家、編集者は、さまざまな障害の子どもたちに接して経験をつんでいる先生や施設職員や親の考えていることを、知る必要があります。障害をもつ子どもたちとつきあって、子どもたちに必要なものは何かを知り、理解して本をつくることが大切な場合も少なくないでしょう。
子どもたちが求めているものを画家、作家、編集者に知らせるのは、教育にたずさわる人たちの課題です。それを受けて何よりもまず、やさしく読めてしかも意味の深い文章を書くことが、作家の仕事です。画家は、文章を理解する手助けとなるような絵を、読む力のおくれている子どもや弱視の子どもの特別な要求に応じて措くことに挑戦します。適切な印刷技術(活字の大きさ、書体、組みなど)を用いて本をつくるのは、編集者やデザイナーの課題です。このようにしてできた本を、求めている人に紹介し、手わたすのは、図書館員の仕事です。
本にかかわる専門職の人々は、″適切な″図書を調査した結果やそのリストを紹介するとともに、障害児が使う本についての情報や、実践活動の報告が、社会に広く知られるようにしなければなりません。「適切な」という一語は、大切な意味をもっています。なぜなら、作者が、障害をもつ子どもを自分の本の中に登場させておきながら、その障害について十分な知識をもっていないことがあり、そういう本は避けなければならないからです。また、作者が子どもよりも障害そのものに目を奪われ、あたかも障害が子どもの全人格を左右してしまうように描く場合にも、特別な注意が必要です。図書館員など専門職の人々の仕事の中で、何よりもまず大切なのは、よい本があることを一般の人に知って もらい、そういう本が大いに利用されるように、働きかけていくことです。」

そして最後にこう結んでいます。

「本は私たちに影響を与えます。私たちは、おたがいが人間どうしとして出会えるような本を求めています。私たちの中には、障害をもっている人も、そうでない人もいます。本の中でも実際の生活の中でも、おたがいどうし、知りあうことが大切です。」
『本はともだち』 トーディス・ウ-リアセーター著 藤田雅子・乾侑美子訳 偕成社
1989 p114―P116

最後に、バリアフリー絵本の発展を願って、このHPは作っています。ここからいろいろな情報を引き出して、それぞれの活動や研究に役立てていただくことは、願うところですが、時々そっくりな文章がコピーペーストされていてびっくりします。情報の出所が明記されていないことも多く残念です。出典や引用先を明記していただきたくお願い申し上げます。

2015年4月 バリアフリー絵本研究会 撹上久子



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